マンサポの技能実習生採用の視点

先に、マンサポでは技能実習制度活用において、スタートとなる技能実習生の人選(採用面接)がもっとも重要だと申しました。

本制度は、「発展途上国の若者へ日本国の技術・技能を習得していただき、帰国後に母国の発展に寄与してもらえるような人材育成を目的とした国際貢献である」とあります。

しかし、技能実習生の最大の目的は「日本で働いてお金を稼ぎ、自分や家族の生活を豊かにしたい」という「お金」であることは、あえて申し上げる必要はないかと思います。

技能実習生の本音が「お金」であっても、制度趣旨が保たれるのであれば問題とはならず、否定することは非現実的と考えます。

ただし、この本音である「お金」があまりにも優先され「目先のお金のみ」となり、制度趣旨が機能しないようでは問題となります。

つまり、来日する技能実習生の資質次第では「制度趣旨を無視し、目先のお金だけを目的とした言動」となる可能性があるからです。

上記のような人物を採用してしまった場合は、実習実施者(受け入れ企業など)が、いくら制度趣旨を理解して育てようとしても、相手(技能実習生)には関心がなく、関心ごとが「目先のお金」なので制度趣旨である「日本の技術・技能を学ぶ」意識はありません。

そのため、現場で一生懸命教えても実らず、日本人との交流にも興味がなく、日本語の勉強も関心が無いといった、育てても育たない技能実習生の採用となってしまう可能性が高くなります。

そのような人は、同じ給料なら必要以上に苦労はしたくないので、積極性にも欠けます。

特に多額な借金を背負って来日した場合は、早く借金を返済するためにも残業などをやりたがりますし、残業が無ければ不満となり、それが言動として現れる場合もあり、最悪では「お金」の誘惑に乗ってしまい「失踪」まで考えられます。

マンサポが考える、優秀な人材採用面接とは?

上記のような人物を選ばないように努めることは、どこの監理団体でも同じだと思います。

しかしその方法は、あまりにも日本語レベルを重視したり、表情や雰囲気、容姿といった部分で人選をすると、客観性に欠けてしまい、その人の潜在能力を判断する妨げになる場合があります。

マンサポでは、長年の経験から上記の項目は重視せずに、客観的な選考方法を導入した面接を行っております。

そして、一番重要なことが、送り出し機関の募集能力です。

マンサポでは、募集人数の原則3倍の応募者の中から採用者を決定しますが、その候補者を募集する立場が送り出し機関だからです。

募集能力の低い(違法な高額費用要求を含む)送り出し機関の面接候補者は、上記の「目先のお金」を求める確率がたいへん高く、誰を選んでも失敗する可能性が高い理由もご理解いただけたかと思います。

例えば、同じベトナムにある技能実習生の送り出し機関同士で、一方の出国までの費用が他方の倍以上高ければ、誰でも費用が安い(合法)送り出し機関へ応募します。

それでも、高額の借金を覚悟で費用の高い(違法)送り出し機関へ応募をしてくる技能実習生とは、他の情報を全く知らないか、だまされたか、費用が安い(合法)送り出し機関へ応募しても相手にされなかったかです。

そして、送り出し機関を比較する場合に、単に費用が安いだけでは十分ではなく、日本のルールやマナー、国民性理解への教育は当然のことながら、冒頭に述べた通り「目先のお金ではなく、将来的なお金(人生設計)」へ目標意識の転換教育が重要となります。

なので、送り出し機関の質が最も重要となるわけです。

しかし、残念ながら技能実習生の採用を行う実習実施者(受け入れ企業)が、直接送り出し機関を選ぶことは困難ですが、監理団体を通じて良い送り出し機関と結びつく可能性は高いです。

監理団体も、違法に高い費用を徴収するような送り出し機関と提携したら、実習中のトラブルも多くなり、失踪者を出す可能性も高まります。

よって、外国人技能実習制度を活用される方々は、上記を踏まえて監理団体を選ばれたほうが賢明です。

マンサポでは、監理団体である組合は、受け入れ企業である組合員の利益をサポートする立場であるため、問題なく安心して技能実習制度を継続してもらうこと以上のサポートは無いと考えております。

そのために、法律を遵守することは当然で、そのうえで技能実習生への感謝の気持ちや、その人の将来を応援するような姿勢が大切だと考えております。

取引をする送り出し機関の選別は、送り出し機関の責任者が同じ方向で事業を推進できるかにかかっており、そのためには、パートナーとして対等に意見交換や改善改良などの足並みがそろうかで決定しております。 そのうえで、送り出し機関の決定権者と直接日本語で話しができるかどうかは、大変重要なポイントであることが私の経験則です。